サービス付き高齢者住宅~父の入居
サービス付き高齢者住宅 クローゼット

こんにちは、糸野つむぎです。
かなりご無沙汰しておりました。
この半年間で実家やこちらの家族に色々なことが一気に起こり、ブログを書く気持ちの余裕がありませんでした。

今回は、父がサービス付き高齢者住宅に入居したことを書きます。介護について、悩んでいる方の何らかのご参考になれば幸いです。

父が脳梗塞で入院

半年前、遠方の実家の父が脳梗塞で入院、歩行が不自由になったことでした。車椅子の生活が始まり、少し落ち着いたところでリハビリテーション病院に転院しました。循環器・腎臓の持病があるので、リハビリは慎重に進められました。そして、そこから父が退院後に住む場所を探す長い旅が始まりました。

何しろ、実家は過疎の進んだ田舎で、数年前にスーパーがなくなり、小さな八百屋さんがあるだけです。父母はタクシーで片道30分かけてスーパーに買い物に出かけていました。高齢で体の具合の悪い時は出かけられません。腎臓病には最悪のカップ麺で済ませることもあったらしいです。家屋は古く、トイレは和式のポットン式で、お風呂場にも大きな段差があります。私と妹との強い要望で、今度こそ、通院や買い物に便利な市内に移ることを提案しました。

退院したらどこに住む?

もともとは、高齢の父母には便利な市内に引っ越しを進めていました。しかし、やはり住み慣れたところを離れるのは大きな決意が要るらしく、そのままになっていました。

父の歩行が不自由になったので、これを機会に父母ふたりで市内への転居を進め、家族でさまざまな場所を見学しました。賃貸は高齢者にはなかなか貸してもらえないこともわかりました。母は比較的元気なので、老人ホームを嫌悪していて、サービス付き高齢者住宅に絞れてきました。

うちの家族の場合、父と母の介護度に大きく差があり、母は元気でまだまだ自信がある、ということが新居選びを難航にさせました。つまり、主張がありすぎて、妥協ができないということです。

結局、母はこのまま実家で暮らすことにして、父だけがサービス付き高齢者住宅に入居することになりました。苦渋の選択でした。

「サービス付き高齢者住宅」とは?

サービス付き高齢者住宅(以下、サ高住)とは、

サ高住外観(例)
サービス付き高齢者住宅 外観(例)
  • 生活する賃貸住宅
  • 安否確認、生活相談サービスの提供
  • オプション料金で食事や介護サービス、家事支援の提供

どちらかというと、要介護度が比較的軽度な高齢者向けの民間施設です

父の場合、入院したばかりの頃は車椅子で、トイレの介助も必要な状態でした。入院して受けた介護認定は要介護3でした。しかし、リハビリテーション病院で熱心にリハビリしていただき、退院の1か月前には院内では車椅子が不要になり、杖と手すりがあれば、心臓に負担をかけないように注意して、歩行が可能になっていました。外出は車椅子が必要です。ただ、右半身に麻痺が残っているので、注意は必要です。

サ高住に関して、次のようなわかりやすい説明があります。

サ高住の特徴

・有料老人ホームより比較的低コスト

・介護保険は、個別に契約して「居宅サービス」を利用

・通常、比較的元気な方を対象としているが、要介護5の方を受け入れるところもある

・認知症に対応しているかどうかは要確認

・看取り対応しているところは少ない

・介護・看護職員の配置基準はない。ただし、ケアの専門家が少なくとも日中建物に常在

・1人用、2人用がある

・全国どこでも申し込める

・申し込みは直接施設へ

「高齢者施設 お金・選び方・入居の流れ がわかる本」太田差惠子著

サ高住部屋の中

父のサ高住の部屋は広さ21㎡の1人用です。妹の家から自転車で5分程で、父や母がかかったことのある内科が近くにあり、このサ高住の提携病院となっているのも安心でした。

洗面台は使いやすく、収納も抜群です。

収納力のある洗面台

父は料理をすることはないと思いますが、流し台があり、IHを持ち込んでの調理も可能です。

サービス付き高齢者住宅 キッチン

クローゼットがあり、かなり収納できるのでありがたいです。

左: 移動式手すり
引き戸で洗面所とトイレへ
右: クローゼット収納

洗濯を自分でする方は、洗濯機が設置できます。

ベランダもあります。エアコンも付いています。

部屋だけ見ると、まるで普通のワンルームマンションです。でも、よく見ると、バリアフリーで段差がなく、お手洗いは引き戸で、手すりがついています。非常時や呼び出しの通報装置があります。

サ高住でのスケジュール

ケアマネに感謝!

部屋はまるでワンルームマンションですが、時間割はそれぞれが組むことになります。実際はケアマネジャーが希望を聞いて、介護保険でまかなえるメニューでアレンジしてくれました。

父の場合は、月・水・金が、入浴とリハビリを兼ねたデイサービスに一日行きます。木曜日はお掃除に来てもらい、洗濯サービスをお願いしています。

リハビリテーション病院を退院するときに退院前カンファレンスがあり、送り出す病院側と受け入れるサ高住・ケアマネジャー・デイサービスセンター・介護用品会社との綿密な打ち合わせがありました。これは、病院の申し送りを受けて、ケアマネジャーが中心となって、受け入れ態勢を確認するという、大変有意義なものでした。

ここで父の場合のポイントは、心臓病などとリハビリの兼ね合い、腎臓病があるので塩分と水分についてでした。

水分管理の徹底は組織的努力

デイサービスのある日は十分な管理ができるのですが、ない日の水分について、驚くべきサービスがありました。すべてのサ高住でされていることではないかもしれませんが、食事の間に数回、飲み物を部屋に配ってくれるのです!まるで、ルームサービスのように。水筒に入れてもらうことが多いと聞きましたが、右手に軽い麻痺の残る父を気遣い、ケアマネの提案で、蓋付きコップにいれてもらうことに。しかも、配ってくれる方が軽くすすいで、注いでくださることを確認してくださいました。

水分補給のために部屋を巡回してくれるのは、実は定期的な安否確認にも繋がっているようです。入居している高齢者が、何か困ったことがあればその時に話せます。通報装置があるので、それで会話もできますが、そこまで緊急性の無いときは、無理なく声がかけやすいと思います。

また、夜中も数回、マスターキーで鍵を開けて、懐中電灯で照らして見回りにきてくれます。とてもありがたいことで、お忙しい中、感謝しかありません。

サ高住の利便性

自由度が高い

賃貸であるので、自宅を離れることの敷居が低くなります。入居してみて不都合が生じたり、介護度が変わって、別の施設に移りたいと思ったときの負担が軽いと思います。

父の場合、住民票も動かしていません。もし、動かせば、入居先のサ高住の地域でのより一層のサービスが受けられるそうですが、離れて暮らす母の気持ちがついていかないので、とりあえず、そのままです。

また、よく聞く話ですが、特養老人ホームを希望されている人が、順番待ちするためにサ高住に入居する、ということもあるようです。

サ高住は、文字通り、「サービス」が付いている施設で、賃貸マンションのようなものなので、自由度が高いです。

サービスを変えられる

介護度が変われば、受けられるサービスが増えたり減ったりする、とケアマネから聞きました。父はリハビリでかなり回復したので、次回の介護認定では介護度が低くなりそうです。それはそれでありがたいことですね。病院と父の努力で回復したのですから。

サ高住では、サービスが選べるので、万が一、受けているデイサービスやヘルパーサービスを変更したいと感じたら、変えることができます。一体型の施設では難しいことのようです。介護や地域に関して初心者である私たちにとっては、安心材料です。

現に、ケアマネを決めるとき、サ高住からいくつか選択肢をもらいました。

  • サ高住の中のヘルパーステーションのケアマネ
  • 提携病院のケアマネ
  • その他地域のケアマネ

妹の提案で、提携病院のケアマネにお願いすることになりました。理由は、どこがいいかわからないので、とりあえず外部に、ということです。

今のところ、大変満足しています。病院に入院しているときから父の状態をよく観察してくれて、ベッドからトイレへの動線を特に気遣ってくれました。「慣れている方向のほうが、新居でも動きやすい」、との考えを元に、サ高住でのベッドの位置とトイレの前の手すりの位置が決まりました。入居した翌日に訪問して、父の動線を確認して引き戸でころばないように、手すりの長さを変えてくれました。

父のケアマネは専門性が高く、細かい配慮のできる方で、私たち家族への思いやりも素晴らしいです。物忘れがひどくなった母への気遣いも抜群です。

こんなおまけも…

父のサ高住では、家族が部屋で泊まることができます。寝具などは自分で準備しないといけないのですが、二時間近くかけて訪ねてくる母にとっては安心です。また、あらかじめお願いしておけば、家族の食事も用意してくれるとのことです。もちろん実費だと思いますが、とてもありがたいことです。

今後の不安

空きの少ないサ高住に何とか父が入居し、新しい生活が始まりました。しかし、家族の見守りはまだまだ必要で、家具もまだ十分そろっていません。私は遠方で頻繁に行けないので、通常は妹がお世話をすることになります。今のところ、家族がしなければならない事は、

  • お薬カレンダーに薬のセッティング
  • 提携先病院がかかりつけ医になるので、定期的な通院の付き添い
  • 脳神経外科と手術をした病院への通院の付き添い
  • 季節の変わり目の衣類や寝具の準備
  • 洗濯や掃除用品の補充

上記が今考えられる父のことです。それに、母のこと。実家のこと。

会社の仕事のように、明確な指示がないため、気になりつつもそのままにしていることもあります。また、どうしたらいいかわからないことも。悩みつつも、その時その時の対処になるのでしょうか。

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