こんにちは、ぐうたらスーパー主婦の糸野つむぎです。
先日、「メロンを食べられなくなるかも」の記事を書きました。日本の農家に異変でメロン栽培減?今回はバナナについてです。
バナナの価格の推移は?
「バナナのたたき売り」と言えば、映画「男はつらいよ」の寅さんが浮かびます。までろん(夫)は時々この映画を見ているのでその影響でしょうか?
バナナのたたき売りは、大正時代初期に門司港周辺で行われたのが元祖と言われています。
バナナは明治時代後期以降、台湾の日本への編入などによって大量に輸入されるようになり、日本において庶民が気軽に購入できるようになった。
バナナは完全に熟していない青いうちに運び、問屋(室と呼ばれていた)で熟成させて各地に出荷される。しかし輸送中の船内で熟成が進みすぎたり、傷がついたものは商品価値が大きく落ちてしまう。
現在ではそのようなバナナはお菓子やジュースなどの加工品として利用することができるが、当時は技術がないため廃棄されていた。
痛む前に門司港につながる桟橋通で売っていたのがバナナの叩き売りの始まりとされている。
大量に輸入されて、腐る前に売り切るためのたたき売りだったんですね。
次のグラフはバナナの輸入量の推移です。
統計の開始年度が1992年であるので、たたき売りの始まった頃の分は確認できませんが、輸入量に過去2回のピークがあり、2013年からは輸入量が100万トンを割っています。
最初のピークは2000年で、もう一つ下のバナナの価格の推移グラフの2番目のへこみと一致します。
-世界経済のネタ帳より引用-
この価格推移のグラフからは、2004年から価格が上昇していることがわかります。
バナナの価格上昇の理由は?
安いと思い込んでいたバナナですが、実は2004年から価格は上昇していたのですね。私の場合、すこし熟して安くなったバナナを買うことが多く、価格上昇には気が付いていませんでした。むしろ、バナナがブランド化していて、美味しいバナナであるためにそれなりの値段がついているのかと思っていました。
2.バナナの病気
3.他国のバナナの需要
1. 生産地の自然災害
バナナの生産地は東南アジアが多く、特にフィリピンなどでは地震・台風・干ばつの大きな被害がありました。これらの自然災害により、バナナの樹木が倒れたり、枯れてしまっているようです。
2. バナナの病気
フィリピンでは、「新パナマ病」というバナナの病気にかかっていると言われています。土の中に含まれるカビがバナナの樹木を枯れさせてしまうそうです。
3. 他国のバナナの需要
中国ではバナナの需要が最近特に増えて(人口増の影響も?)、輸入量が増えていると聞きました。こうなると、日本に回ってくるバナナの量にも影響するのではないかと思います。
実はバナナの価格は下降していると思っていた
ここまで調べてみて、私が書きたかった記事とは違うことがわかり、とても驚いています。実は最近バナナにはまっていて、熟した食べごろのバナナを買って、補食・朝食に利用することが増えてきています。ですから、安く購入できて、とても便利でありがたい食品だと思っていたのです。
便利ということには変わりありませんが、「安い」と感じていたのに、価格は上昇していたというミスマッチ。これが不思議でたまりません。他の果物の価格と比較して安いと思っていたのでしょうか?それともバナナの栄養価と簡便さという価値に対して安いと思っていたのでしょうか。
バナナの価格上昇を受け止めて課題を考える
大好きなバナナの価格が上がっていて、このままだともっと高くなり、今のように購入できなくなるかもしれません。そのために、個人レベルでできることは、価格上昇の理由をきちんと理解することだと思います。
生産地の事情を理解し、これ以上被害が広がらないことを祈り、環境破壊に手を貸さないこと。環境を問題を語るのは私にとってはとても難しいことですが、少なくとも、生産地の人々の暮らしを思いやることはできます。
バナナの生産量が減ると、真っ先に困るのは生産者の方々です。毎日の暮らしが成り立っていくか心配です。特にバナナだけの収穫に頼っていた農家は大変です。
「新パナマ病」による被害は深刻のようですが、それに耐えられる新品種の開発を求められているようです。
農薬を使わないりんごの話を思い出しました。「奇跡のリンゴ」です。本も読みましたし、映画も見ました。農薬を使わずにリンゴを育てることに成功するまでの長い苦しい道のり、一生をかけて挑戦した実話です。
バナナは農薬を使っているものが多いようですが、それを使い続けると、土の中の環境は明らかに変化してしまい、人間でいう免疫力みたいなものが失われてしまわないか心配です。
もし、農薬を使わないでバナナが栽培できるなら、バナナの木を育む土はダメージは受けなくて、カビなどに対しての抵抗力を持つことができなかったか、と素人考えですが、思ってみるのです。
農薬を使わないということは、人の手がとてもかかることですので、今までのようにたくさんのバナナを栽培することは不可能になってしまうかもしれません。でも、そこに暮らす生産者の人が吸ってしまう農薬の量は明らかに減ります。その土地も本来の力を回復できたなら、時折襲ってくる自然災害を少しだけ早く軽く乗り越えられないでしょうか?
有機栽培のバナナを応援してみたいと思いました。多分高いので、たまにしか購入できませんが、有機商品の需要が伸びてくると市場もいつかはそこに目をつけてくれるでしょう。ふつうのバナナを買う時は、栽培された過程や生産者に感謝の気持ちで頂きたいと思いました。