日本には衣料品はたくさん、しかし必要なものが手に入る訳でない

こんにちは、つむぎの庭、糸野つむぎです。

 

振袖・スーツのDM 衣料品がいっぱい

今年は我が家にDMがたくさん来る年のようです。お正月を過ぎたころからだったでしょうか、振袖のカタログやハガキ、スーツのDM。毎日のように、ひっきりなしに来ていました。4月になってやっと落ち着きました。企業は売ることに一生懸命なんですよね。それは、私も働いているのでよくわかります。販促の方法を、経費や効率を考えて色々工夫しているのでしょう。最近はメールマガジン、LINE、インスタなどのSNSでも懸命に顧客確保に必死です。

 

しかし、消費者の選択もさまざまです。同じものを買うのなら、少しでもメリットのある方法を探すこともあるし、いつもの店で、いつもの商品を買うこともあるでしょう。ただ、特別な日の、特別な物に関しては、とても慎重に考えて行動していると思います。

 

たとえば、振袖。私自身は、祖母が買ってくれようとしていましたが、私のわがままで断りました。めったに着ない晴れ着に高いお金を使ってほしくないし、管理が大変なので、成人式はレンタルしました。その時はそれで満足しましたが、歳をとり、人の気持ちも少しはわかるようになった今は、祖母の優しい気持ちをむげに断ってしまい、申し訳なかったと思います。自分の主張ばかりで、断るにしても言葉足らずで、祖母をがっかりさせてしまったかもしれません。

 

はじめは、振袖カタログをうっとり眺めていた娘のまりー。でも最近は、

まりー(娘)

成人式に振袖要らんし。
でも、着るのは着てみたいから、安い時にレンタルで前撮りお願い。

 

今年の成人の日の「はれのひ」事件で考えることがあったようです。

 

まりー(娘)

2年先の成人式のために、今から高額のお金を払い込んで予約をするって、ピンとこないし。
子どもの数は少なくて、振袖高くて、めっちゃアンバランス!

 

なかなかの堅実派です。でも、親としては胸をなでおろす思いでした。だから、振袖に関しては何も動いていないし、美容院の予約もしていません。成人式は洋装で行きたいということです。とっても目立つと思います。

 

日本には必要な衣料品が手に入りにくい人もいる

アパレル業界は、売りたくて仕方がない。でも、先日ご紹介したように、消費者の選択肢は増えてきています。そろそろ、たんすの肥やしを直視する時期かもしれません。一般には、衣料品は安く、どこでも手に入りやすい世の中ですが、実は、必要な衣料品が手に入りにくい人もいます。

「着替え楽な服 もっと身近に」
老老介護で妻を在宅で支え、7年目を迎えました。自力歩行はできず、上半身もほとんど動かせない状況の妻は要介護5で車椅子生活を送っています。 着替えの介助が大変ですが、徒歩圏内の商業施設には介護用品をあまり置いていません。ネット購入は難しいため、大手衣料メーカーの服を買いますが、手足の関節の可動域が狭い者にとっては着替えが難しいのです。 そこで、大手衣料メーカーにお願いです。体の不自由な人が着替えやすい衣料が身近になるよう、ぜひ開発と店舗販売してください。高齢化が進む今、社会貢献としても価値あるものと考えます。
主夫 小堀敏男 (大阪府 79)

朝日新聞「声」2018/3/20

 

たしか、うちの近所の大手小売業では、介護用品コーナーがあり、いろいろ置いていて、敬老の日などは、介護用のパジャマや洋服を売り出していました。しかし、少し郊外に行くと、商業施設は少なくなるし、高齢の介護者は買い物に出かけるだけでも大きな負担となるのでしょう。たどり着いたお店に必要な物が置いていなければ本当に残念だと思います。

 

この記事を読まれた方が、次のように発言されていました。

「着替え楽な服開発 考えたい」
私の父は兵庫県でニット製造会社を経営しており、衣料メーカーからの発注を受け、ニットや学生服の製造卸をしています。最近のファストファッションの台頭で業績は年々落ちているようです。 ご投稿を目にして、大手だけでなく、父の会社のような日本のものづくりを支える小さな製造会社でも貢献できるのではないかと感じています。中小企業だからこそできる小回りの良さで、介護用品を企画するメーカーと連携し、きめ細かいサービスができないかと思うのです。 父もご投稿を読んで何か形にしたいと話しています。介護をされている方が少しでも楽になるような衣料の開発に向け、父と共に方法を考えていきたいと思います。
大学職員 金盛美和 (兵庫県 36)

朝日新聞「声」2018/3/31

 

なんという暖かいつながりでしょう。これも、介護されている小堀さんが投稿をされなければ、こんなつながりはありませんでした。この行動が、読者の金盛さんの心に響き、次の行動をよびました。この二つの投稿を目にした読者は多いと思います。その人たちは「着替え楽な服」というフックができました。この共感が、色々な人にとって暮らしやすい世の中につながっていけばいいと思います。

 

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