こんにちは、ぐうたらスーパー主婦の糸野つむぎです。
心温まる記事を見つけて、感動しました。
制服のリメイク
先輩の制服、私の筆箱にリメイク 京都の中学校で実現
卒業生が着ていた制服の生地を原料に筆箱(ペンケース)を作り、在校生にプレゼントする。そんな取り組みがこの春、京都市の公立中学校で実現した。いらなくなる制服を有効に使い、衣類ごみを減らそうと、生徒たちが発案した。先輩の思いは、筆箱の形で引き継がれていく。
制服のリメイクに取り組んだのは、京都市中心部にある市立京都御池(おいけ)中学校(中京区)。同校の制服はブレザーにスラックス、スカート。これまでも卒業生に不要になった制服を募り、希望する在校生に譲ってきた。 昨年夏、当時の7年生(中学1年生)の全7クラス(約240人)で環境やごみ減量をテーマに授業をした際、制服をどう再利用するか、アイデアを寄せ合った。ブックカバーや座布団など104案が集まり、最多の19票を集めた筆箱に決まった。
(略)
このプロジェクトの何がいいのでしょうか?
●中学生が授業で環境やごみ減量について考えたことからのアイディアである
●技術面で日本繊維機械学会(大阪市西区)の研究グループが協力
●研究グループの統括は京都工芸繊維大学の木村照夫名誉教授
●PTAが「おさがり」にも適しない制服集めに協力
●縫製は障害者就労支援施設ワークハウスせいらん(京都市西京区)
つまり、京都市立御池(おいけ)中学校を中心に、少なくとも5つの組織が連携し合って成し遂げたリメイクなんです。経験のある人は実感できると思うのですが、一つの仕事を自分だけで完了するよりも、多くの組織を巻き込んで、意見を聞き、助けてもらって、できれば連携して成し遂げる方が、いい仕事ができます。視野が広まるし、専門性も深まります。そして、次回も、となることもあり、将来性やさらなる広がりが期待できることもあります。
多くの組織を巻き込んでのプロジェクト
しかし、巻き込んで仕事をすることは、何倍もの時間と調整が必要になり、とても大変なことです。時には、もめたり、ひっくり返ったりすることさえあり得ます。間を取り持つ人はとてもストレスを感じることもあるでしょう。このプロジェクトの場合の調整役は中学校の先生だったのではないでしょうか?そうでなくても忙しい先生がこんな息の長いプロジェクトを完させたことは、称賛されるべきでしょう。
今回、これだけの人々が関わったプロジェクトなので、最初の出発点のごみ減量について、多くの人が意識したことになるでしょう。リメイクのプランを考えてくれた人、材料を集めてくれた人、縫製作業をしてくれた人、完成した筆箱を受け取った中学生。全員が、衣料ごみはその気になれば、再利用できる心のこもった品物に生まれ変わるということを体験できました。一つのプロジェクトがたくさんの人に影響を与えたことになります。
「京都の着倒れ」は本当か?
さて、このプロジェクトが京都で行われたのも何かの縁を感じます。「大阪の食い倒れ、京都の着倒れ」言葉があるからです。私は、京都の人は着る物にはお金を惜しまない、ということかと思っていました。これだけなら、次々と新しい衣類を買うということにも取れます。しかし、内容はもっと奥深いのでしょう。恐らく、京都の人は着数が多いとか、支出に中に占める衣類の割合が多いとかではなく、衣類を大切なものと位置づけていて、着るものは納得できる物を持ち、末永く大切にするということではないでしょうか?
そう考えると、この制服のリメイクもなるほど、と理解できます。また、衣類を大切に長期間利用することが節約にもつながり、その分でさらに堅実な長く着られる衣類を購入することもできるでしょう。この辺りに京都の人の着る物に対する価値観があるのではないかと推察します。
節約することで次の贅沢ができるのは、ちょっぴり嬉しい消費生活ですね。安いセール品ばかりを追いかけると、その時は戦利品に満足できますが、お店の作戦に乗せられたような気がします。本当に自分が求めているものが安く買えるならそんなに嬉しいことはないのですが。
衣類は過剰供給
ここで、もう一度、アパレル業界の問題点を思い出してみます。
●国内市場の消費は1991年よりやや衰退気味
●供給量は年々伸びて、1999年には供給量が市場消費を上回った
●以来、供給過剰の状態が継続
つまり、市場が必要とする以上に供給されている、ということです。
私たちは賢い消費者となり、過剰に安く供給された衣類をたくさん買うのではなく、必要な価値ある衣類が納得できる価格で販売されるよう期待したいです。