10円自販機は売り切る発想で新名所~大阪人のユニークな発想

こんにちは、ぐうたらスーパー主婦の糸野つむぎです。

すぐに売り切れる自販機、10円自販機が大阪市福島区にあります。2台だけで、1日に3千本も!

10円自販機は新名所

大阪市中央卸売市場(福島区)の東約150メートル、卸売業者が立ち並ぶ一角。自販機は6台あり、うち2台が10円で買える。ディスプレーに商品は陳列されてなく「何の飲み物が出るかお楽しみ!」と書いてある。

「補充してもすぐに売り切れるんです」と、自販機を設置する食品卸売会社「大阪地卵」の釜坂晃司差超(58)。多い時は2台だけで、1日3千本売れるという。

10円自販機をはじめたのは約8年前。賞味期限が迫った商品をどうさばくか、知恵を絞って行き着いた手法という。

この記事にたどり着く前に、新聞の1面のどっぷりとしたネコの画像に目を奪われてめくってみると、この記事がありました。ネコが、10円玉を手にして、「大阪新名所おいでにゃ」と10円自販機を宣伝しています。そして、普通の自販機にはサンプルがありますが、この自販機には一切なく、かわりに全種類異なるネコのイラストが笑いかけています。

 

となりには、あめちゃんやクッキーが50円や100円で買える「おかしな自販機」コーナーもあるとか。注目をあび、人気スポットになっていて、グーグルマップにも「10円自販機」は観光名所として紹介されています。

超特価の理由は売り切るため

自販機を設置している釜坂社長によると、「捨てることになれば仕入れ値や廃棄量で損するが、10円でも売れれば赤字が減る」ということです。隣接して30円、50円、80円などの自販機もあり、「呼び水」的存在でもあり、トータルで見れば自販機の利益は増えているそうです。

 

仕入れた商品を廃棄するにもコストがかかるんですね。人の手間、配送、ごみ取集会社への支払い等、よく考えてみればもっともな話です。以前、恵方巻きの食品ロスの記事を書きました。賞味期限が当日なので、売れなければ処分するしかありません。一方、飲料や菓子など賞味期限の長い商品はタイミングを見て、売る以外の方法で処理ができます。10円自販機はそのおもしろい処分のやり方です。

 

売れなくて、赤字を減らすにしても、世の中の人に喜んでもらいたいというサービス精神がこの10円自販機に込められています。10円というのは多分自動販売機に投入できる一番安い硬貨だと思います。そして、商品の種類にも偏りがあるし、指定通りの場所に入れなくてすむように、「何が出るかはお楽しみ!」とお客さんがくじを引くような気持ちになるキャッチフレーズにしています。

 

大阪人の柔軟な発想に脱帽

大阪人の考えることは本当に面白いです。ケチとか言われることが多いですが、その根本には「もったいない文化」という合理的な発想があるのです。売る方は少しでも赤字を減らしたい、買う方は安く買いたい。両者の接点が10円自販機です。売る方は、お客さんの立場にできるだけ近づいていて、またその行為を楽しんでいるような印象を受けます。そうでなければ、このネコちゃんのイラストは描けないでしょう。全てのネコを違う種類に描くことにも気合がはいっています。

 

上の朝日新聞のリンクを開いていただければ、10円自販機の動画も視聴できます。その中に、199円の焼き肉のタレを自販機で販売しているシーンも出てきます。1円玉は自販機では使えません。もし、百円玉を2枚入れてお釣りの1円が出なければ、大阪人でなくても「インチキだ!」と不快に思うでしょう。でも、大丈夫、ちゃんと199円で買えるのです。

 

柔軟な発想のできる大阪人は面白いです。商品に1円玉を貼り付けておくそうです。一つ一つ、面倒な作業ですが、この遊び心が憎いところ。お客さんを喜ばすためにはなんてことないのでしょう。私なんか、「ホンマやろか?」と買ってみたくなります。そして、それを面白がって、口コミやSNSで広めると、また新しいお客さんが訪れるのでしょうね。

 

10円自販機で得した分、せっかく来たので、別の自販機でたくさん買ってしまい、トータルすると買い過ぎた、というオチがあったりして…

 

この自販機の話を子ども達に話すと興味津々でした。さすが、大阪ネイティブ!いつか行ってみようと思います。

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