こんにちは、ぐうたらスーパー主婦の糸野つむぎです。
春になって、小さなお子さんをよく見かける気がします。いい気候になって楽しく外遊びできますよね?そんな中でも、泣き叫ぶ子どもさんにママはとても苦労している場面にも出くわします。いわゆる、「魔の2歳児」、「イヤイヤ期」にあたる年齢の子ども達です。首を横に振りながら、「イヤ~!」と泣き叫んでいる姿、ママにすればとてもつらいですよね?
イヤイヤ期とは?
そもそも、イヤイヤ期とは、人間の第一次反抗期ともいわれる時期ですが、それは大人からの見方であり、子どもにとっては自我が芽生え、それを表現し始める大切な成長過程です。
この時期の子どもが頻繁に「イヤ」というのはなぜか。
遠藤利彦・東大教授(発達心理学)は、「自分探し」と指摘する。1歳半~2歳は、歩行や手づかみが可能になり、世界が一気に広がる。だが、初体験が多すぎて「わからない」と「本当にイヤ」が区別できないため、何でも反応が「イヤ」になりがちだという。でも、感情を大人にぶつけるやりとりを通じ、自分の欲求や意思を自覚し、周囲に伝えれるようになる。
朝日新聞 2018/4/21
息子のイヤイヤ期
ぴえーる(息子)の2歳の頃のことが我が家でよく話題になります。
うちは車を持っていないので、子どもが小さくてもお出かけは電車で行くしかありませんでした。2歳の電車大好きなぴえーるにとっては、家族そろってのお出かけは嬉しかったと思います。しかし、帰り道、泣き叫ぶ時期がありました。
経路を変更するのは、往路の乗車駅と復路の下車駅を敢えて変えて、別の所に寄るなどの大人の事情がありました。でも、もう下車して歩き始めているのに、ぴえーるのリクエストに応えることはできませんでした。
そうすると、大泣きし、叫ぶのです。抱っこして無理やり連れ帰ろうとしても暴れるし、どうしようもなく、私達が歩き出して、ぴえーるが泣く泣くついてくるという状況でした。
今なら余裕を持って振り返ることができる
あのころは、そんなことがよくあったので出かけるたびにヒヤヒヤしていました。できるだけ、来たとおりに帰れるようにしました。でも、今ならもう少し暖かく振り返ることができます。
自宅から駅までの道のりは、出かけた後でちょっと疲れたのかもしれません。お昼寝抜きで帰り道を歩かされて2歳児にとっては大変だったのでしょう。あまりわがままを言わないタイプだったので、親に甘えにくかったのかもしれません。私たちもそんな状況に慣れていました。
また、今回引用した遠藤教授の「世界が一気に広がり、初体験が多すぎて何でも反応が『イヤ』になりがち」、の言葉に大いに納得しました。今さらですが…
2歳の子が大好きな電車に乗って、車内や風景、駅の様子、他の電車に夢中になり、出かけた先でも新しい体験をしていました。彼にとっては、自宅を出てからのルートを身体で記憶していて、帰路も同じようにたどることで納得しようとしていたのでしょうか?
疲れと納得がいかないという状況に混乱し、「来たとおり帰る!!」と泣き叫んだのでしょう。
日々、子どもと接していて、その時その時のできることとできないことは理解していました。ただ、子どもの成長を赤ちゃんの時から振り返ったり、その後の成長段階を予想したりすることは全くありませんでした。「今」しか見れていなかったのです。だから、ぴえーるが大人になって、振り返ることができるのです。そして、世間の2歳児と苦労しているママを見かけると、「大丈夫よ。」と声をかけてあげたくなります。
この時期をどう向き合うか?
やがて自分の欲求を伝えれるようになる
遠藤教授は、成長の過程として、「感情を大人にぶつけるやりとりを通じ、自分の欲求は意志を自覚し、周囲に伝えれるようになる。」とあげています。
そういえば、息子にとっての2歳という時期は幼稚園入園前。つまり集団に入っていない時期でした。泣き叫ぶことによって、感情を親にぶつけていたのでした。並行して、別の部分、おそらく感情を言葉で表現する、ということを学んでいたのでしょう。そうして、幼稚園に入園してお友達と同じようなことを繰り返しながら学び合い、成長していったのでしょうね。
なんとかなるものです。というか、この過程はおそらく全員に共通するごく普通のことだと思います。家庭で子どもと1対1で向き合っている時は大変でしょうが。
この時期を乗り切るために
この時期を乗り切る、またはやり過ごすために、一番大切なことは、ママがストレスをためないことだと思います。きちんと育てないといけない、とか、ちゃんと言って聞かせているのにわかってくれない、とか思いつめないように。自分の反省も込めてですが、「ことばが無理なら身体で」というのは逆効果です。そうなりそうになったら、危険のないことだけ確認して、その場を少し離れてください。
1. 「きちんとしなければ」と思いつめない→ 成長過程なのでどうしよもない、個人差もある
2. イライラしたら、危険がないことだけ確認し、少しだけその場を離れる
3. 悩みを誰かに聞いてもらう→ 殆ど人が経験済みか、これから経験する
イヤイヤ期はいつかは終わります。ことばの発達の助けが大きいと思います。そのことばは、一番身近な家族からの会話から発達します。ママは子どもの反抗だけをみるとしんどいでしょうが、その傍らでたくさんの成長が進んでいます。ことばは割とその進化に気がつきやすい成長の種類です。子どもが感情を自覚して、それをことばで表現できると周囲に伝わり、理解されます。1回でもそれに成功したら、しっかりほめてあげて、また別の表現につながるように導いてあげられるといいですね。
子どもはパターンやリズムがあると生活が安定して、感情も安定する傾向があると思います。大体でいいので、次の時間を決めましょう。
- 起床時間・お昼寝時間・就寝時間
- 食事時間
- 外出する時間
これらを一定させ、事前に時計の針を示し、「時計の針がここに来るまで」などと予告してあげると、子どもなりの予定?が立ち、納得してもらえるのではないでしょうか?そして、その切り替えの時間には、特に、寝かせる時間にはごほうびとして絵本を読んであげると、親子ともに気持ちが落ち着いていいと思います。
「イヤイヤ期」を言い換える言葉は?
朝日新聞が、「イヤイヤ期」の新しい呼び名を募集しています。考えてみませんか?
「徘徊(はいかい)」という言葉を見直す動きがあります。それは、認知症当事者には「目的を持った外出」であるからです。「イヤイヤ期」も大人からから見た言葉であり、子どもにとっては成長の姿です。大人の考え方が変えれば、悩みが軽くなるかもしれない、というところから、新しい呼び名を募集しています。何かいい呼び方、ありませんか?呼び方を考えた理由や体験もお寄せください、とのことです。メールなら、朝日新聞文化くらし報道部「子育て」係まで。