そのランドセル重すぎでは? ~ 1年生大丈夫?

こんにちは、つむぎの庭、糸野つむぎです。

桜が満開となり、いつもより早い春の訪れを感じます。4月になれば入学式があちこちで行われます。小学校に入学されるお子様はとても楽しみにされていることと思います。

 

「ラン活」はランドセル活動のことです。就活・婚活に倣った言葉です。お盆に購入する人が多いので、ラン活はそこで終了です。色々な人の思いから選ばれるランドセルですが、実は、荷物を入れると結構な重さになり、肩こりをうったえる小学生もいて、骨格に影響しないかとの心配もあります。

子どもに関わる消費ビジネスが専門の大正大学の白土健教授は、昨年11月、東京都内の民間の学童保育に通っている1~3年生の20人のランドセルの重さを調べました。 その結果、平均の重さは約7.7キロで、最高は9.7キロでした。

朝日新聞朝刊 フォーラム 2018/3/26

 

なぜ、ランドセルは重くなったのか?

理由は、ランドセルに入れる中身が重くなったことです。

一般社団法人・教科書協会の調査によると、「ゆとり教育」時代だった2005年度、全教科の教科書のページ数(1~6年合計、各社平均)は4,857ページでした。しかしその後、「脱ゆとり教育」を反映した学習指導要領が実施されると、15年度のページ数は6,518ページと、10年前に比べ34%も増えました。18年度からは道徳も教科になるので、さらに1,067ページ分が加わる計算です。

朝日新聞朝刊 フォーラム 2018/3/26

要するに、教科書のページ数が増えて、それに伴い、ランドセルの大型化が進みました。A4用紙をとじるファイルがすっぽり入る「A4フラットファイル対応」のランドセルも増えているそうです。

重いランドセルの体への負担は?

米小児科学会では、「バックパックの重さは体重の10~20%を決してこえないこと」としています。つまり、小学1年生の平均体重の21キロとすると、この基準では2~4キロを超えない重さが望ましいということになります。

日本赤十字社医療センター整形外科センター長の久野木順一氏によると、重いランドセルを長期間背負う影響についての論文は見当たらないが、医学的にリスクが高いことは避けるべき、とおしゃっています。

ある実験によると、重さ8キロのバックパックでは、半数の子供の背骨が片側に10度以上傾いたということもあります。

久野木氏は、「体の小さい1、2年生の女の子が、体重の15%を超えるような荷物を背負うことには反対です。低学年の間はリュックにする、自宅で使わない教材は学校に置いていく、などの対策がひつようでしょう。大人が知恵をしぼり、子どもたちの健康を守っていかなくてはなりません。」とおしゃっています。

ランドセルの中身を軽くすることは可能か?

紙の教科書のデジタル化が進み、そのデジタル教科書を国が認め、小学生全員に普及すれば可能です。しかし、現実問題として、タブレットは高価ですので、全員が持てるようなるには時間がかかりそうです。

もう一つの方法として、教科書全てを持ち帰らない、という方法があります。ある小学校では、1・2年生の間は全ての教科書を学校において帰り、ナイロン製のショルダーバッグで通学しています。

 

ランドセル自体を軽くすることは可能か?

技術的には軽くはできますが、耐久性を考えると、これ以上は難しいようです。6年間毎日使っても壊れないかばんにはそれなりの規格があるようです。

ランドセルに代わるもの ~ 「ランリック」や「ナップランド」

中身はどうしても重くなりますが、かばんを軽くする方法はあります。

実際に「ランリック」というリュックが京都・大阪・市が・埼玉・福岡の一部の小学校で使われています。これは、京都府向日市のマルヤスという会社が50年前から作っており、重さは670~760g、価格は税込み1万円前後と、ランドセルに比べて軽く、安価。大事に使えば6年間もち、年間約1万個売れているそうです。

 

また、「ナップランド」は、北海道小樽市で新入生の約7割が購入します。これは、ナップサックとランドセルの頭文字を合わせたもので、重さ660g、価格は税込み7,020円。全国から注文があるらしいです。

 

まとめ

色とりどりのランドセルは見ているだけでもかわいいけれど、低学年の小さな小学生が重さをこらえて背負うのはかわいそうです。ラン活のひとつに、子どもさんの立場に立った選び方が大切だと思いました。機能的なランリックやナップランドが多くの人に認知されるよう、学校の入学説明会でも、「こんな選択肢もあります」、と紹介していただけるといいと思いました。

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