こんにちは、糸野つむぎです。
アンテナを立てていると、復興支援の前向きな繋がりの情報がよく目につくようになりました。本日は、「東北コットンプロジェクト」のご紹介です。
「東北コットンプロジェクト」とは?
●津波により稲作が困難になった農業地で綿(コットン)を栽培、紡績・商品化・販売を行うプロジェクト
●被災地の復興を願う農家と企業が、長期視点で農産業の確立を目指す
きっかけは、アパレルメーカーや紡績会社など10社が、国内で綿花を育て、紡績や製品化を各社が分担して被災地を応援することを提案したことから。中でも、大正紡績(大阪府)からは、「全量を買い取り、製品にして販売したい。農家の雇用を応援したい。」との申し出がありました。米を栽培していた田は津波につかり、塩害がひどく、以前のような米作には向かなかったのです。その点、綿栽培は塩害に強いと言われています。
大正紡績㈱(大阪府)営業部長近藤さんの思い
しかし、この申し出に、当初は、経験のない綿栽培に現地の農家は困惑していたそうです。「ダメでもともと」と、覚悟を決めて、地域の農家は挑戦し始めました。色々な苦労はありましたが、仮設住宅に住む人々など大勢の人に支えられ、やめるわけにはいかなくなったようです。
そして、現在、参加企業は70社、種も広がった
11年に10社から始まったプロジェクトの参加企業は70社にまで広がりました。
例えば、
●天衣無縫
タオルなどを販売、「日本で初めて綿花栽培が根付き、顔の見える関係が築ければ、新たな事業モデルになる。」
●高島屋
種を譲り受け、東京・日本橋店の屋上で綿花を育て、収穫祭を開く
●日本航空
機内誌で定期的に事業を紹介、ハンカチの販売
●フェリシモ
東北コットン使用のアクセサリー販売
被災地の方が大切に育てた綿を使用した製品を購入することで、復興を支援することができます。その製品を大切に使用することで、製造にかかわった人・企業の物語を慈しむことができます。そして、物があふれている世の中を少しだけ客観的に捉えることもできるかもしれません。