こんにちは、糸野つむぎです。
森友問題からよく聞かれるようになった「忖度」(そんたく)という言葉、最近また、国会でよく使われています。私は、森友問題で初めてこの言葉に出会いました。
忖度の意味? 英語でなんて言うの?
日本語大辞典: 「他人の心中やその考えなどを推しはかること」
それが近年、推量したうえで「何か配慮して行動する」という意味が加わってきました。
英訳は困難を極めたようです。
通訳からの情報として付け加えますが、「忖度」という言葉が英語通訳で少々混乱を招いているようです。何通りかの言い方がありますが、「conjecture(推測)」「surmise(推測する)」「reading between the lines(行間を読む)」「reading what someone is implying(誰かが暗示していることを汲み取る)」などがそれに当たります。英語で「忖度」を直接言い換える言葉はありません。念のため申し上げました。
Just to add as an interpreter’s note, the word “sontaku” is leading to some confusion in the English translation. There are several different ways to say this; whether it’s “conjecture” or “surmise,” “reading between the lines,” “reading what someone is implying.” So there is not one direct word in English which is what lead to this, just to add some information.
忖度とは、日本独特の文化なのでしょうか?それは、美学なのでしょうか?
「忖度」を社会学的にとらえた概念で、Emphatic Understanding(共感的な理解)ということもできるようです。「相手の立場に身を置いて、考えたり、理解すること」を示す概念です。
忖度するって、良いこと? 悪いこと?
●良い場合→ 指示がなくても、求められていることを察し、自ら動く
あさって、ディズニーに制服着ていくんだ! JKブランド、最後だから。
了解!カッターにアイロンしとくよ。
までろん、3年間アイロン、ありがとう。
●悪い場合→ 道徳や法律に反する行為までやりすぎる場合
森友問題がわかり易い例です。
私たちは、無意識に忖度して行動していると思います。特に、会社ではその連続です。上司の方針が理解できたなら、役に立ちたいと、指示がなくても動いているはずです。ただ、その行動は通常、常識的な範囲内のはずです。それが、今回の森友問題では、トップを守るために、常識・法律を超えてやりすぎてしまったのです。
常識を超えた忖度は成功するのか?
森友問題の場合、文書偽造が見つかり、忖度は水の泡となりました。もし、見つからず、スルーし通せたら、文書偽造という行為の忖度は成功だったかもしれません。その成功は、安倍総理の総理大臣としての存命の成功です。忖度した人々が安倍総理に対しての忖度ならそこまでですが、もし、日本の国を良くするための忖度なら、もっと別の道があったはずです。つまり、法律・道徳を破るような忖度の有効範囲は限定的ですが、すべての理にかなった忖度なら、有効範囲は普遍的だと思います。