こんにちは、ぐうたらスーパー主婦の糸野つむぎです。
一般社団法人エシカル協会代表理事の末吉里花さんの講演会を聞きに行ってきました。限られた時間の中でとてもわかりやすくお話ししてくださいました。大阪ではこのようなお話を聞ける機会が少なく、パート先の会社主催の講演会でしたが、無理をお願いして、大阪のサテライト会場で参加させていただくことがかないました。
エシカル消費とは?
以前、「エシカル消費は社会問題解決への第一歩」という記事を投稿しました。
私の周りでは「エシカル消費」という言葉を聞いたことがないという方が結構いらっしゃいます。そんなに難しいことではなく、もう一度、ここに紹介します。
エシカル消費=「ethical consumption」(倫理的・道徳的な消費)
以下、平成29年4月の「倫理的消費」調査研究会の取りまとめより引用します。
●「人」 → 障害者支援につながる商品
●「社会」→ フェアトレード商品・寄付付きの商品
●「環境」→ エコ商品・リサイクル商品・資源保護に関する認証がある商品
●「地域」→ 地産地消・被災地産品
●「動物福祉」「エシカルファッション」
倫理的消費(エシカル消費)とは、
「消費者それぞれが、各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うこと」
実は日本人にはなじみの深いエシカル
エシカルとはそんなに難しいことではなく、末吉さんが講演会でもおっしゃっていましたが、エシカルというのは、実は日本人には親和性の高い性質のものだそうです。
•おかげさま
•足るを知る
•もったいない
•五方よし*
この最後の、「五方よし」は、実は近江商人の世界観「三方よし」に二つ付け足された末吉さんの言葉です。
近江商人の世界観: 売り手よし・買い手よし・世間よし
エシカルの世界観: 上記+「作り手よし」・「未来よし」
近江商人が昔から大切にしてきた商売の鉄則では、売り手と買い手が満足し、さらに社会貢献できることが商いの基本と考えられていました。これに「作り手よし」「未来よし」を加え、エシカルの指針としています。商人だけでなく、作る側の立場を大切にして、社会的にも環境的にも持続していけるようにする、ということですね。
世界の実情を経験から語ってくれました
末吉さんのお話で、とても印象深かったのは、世界の実情を個人の視点でとらえて問題点を提起してくださったことです。彼女はTBS系の「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンターとして各地を旅した経験があり、リアルな言葉で語ってくれました。
シベリアの大地の話
シベリアの大地は水と土が混ざった永久凍土。冬場は-80℃にもなるそうですが、この永久凍土が温暖化で溶けて、家が傾いて住みかを失う人がいるそうです。彼女が出会った家族達もこのままでは立ち行かなくなる可能性もあると心配されていました。
キリマンジャロの氷河の話
アフリカのタンザニアでは、氷河は2010年に完全に溶けると言われていたそうです。しかし、末吉さんが2004年にキリマンジャロに登頂した時にすでに1割した残っていなかったのです。山のふもとでは、小さな子が「再び氷河が大きくなりますように」と祈りながら植林活動をしているのを見て、末吉さんは高山病と戦いながら登頂に成功しました。
そこで、決心されたそうです。
「この状況を伝えて、改善できる活動をしよう」
ここが彼女の活動の原点だそうです。
講演会を聞いて感じたこと
現在の私の立場では、SDGsの中の「つくる責任つかう責任」に特に関心を持っています。消費者がいるから、商品供給する企業もいて、企業はその消費傾向をずっと観察し続けています。今回のエシカル消費の講演会は、私の会社が企画して実現したことなので、少しはSDGsに近づいているようで、嬉しく思いました。
エシカル消費の考えは浸透しつつある
そして、もう現在の学校の教科書にはフェアトレードについての記載があり、高校入試・センター試験でも出題されているそうです。エシカル消費を掲載している教科書もあるそうです。学校の現場は、持続可能な社会を担う子どもを育てるように努力しているのです。
これは、日本政府が、「エシカル消費はトレンドではなく、国が日本の文化として育んでいく」という指針を打ち出したからです。給食にフェアトレード食材を使ったり、企業の制服に採用したり、と一歩一歩進んでいるということを聞いて、大変うれしく思いました。
日本のGDPの6割は個人消費
日本のGDPの6割は個人消費と聞いて、私たちの消費活動の力は大きいことを知りました。末吉さんもおしゃっていましたが、「リーズナブルにはリーズンがある」という言葉は、「安くていい商品にはどこかで苦しんでいる人がいる」という言葉に呼応します。
児童労働の実態についても、末吉さんが見てこられたことを教えてくださいました。学校にも行けずに、ろくな給与ももらえないで働いている子どもいます。それを安くていいものだから、と喜んで買う私達。事情を知らないからですよね。きちんとした値付けをして、利益を作り手に配分している会社の紹介もありました。少しでもそういう姿勢の会社の商品を買うことで作り手の応援ができます。私たちの商品選択の場で商品の物語の紹介があれば、より良い消費につながると思いました。
私はただの一個人で大したことはできませんが、無理をしない範囲で、エシカル消費になるような商品選択をできればと思いました。最後に、末吉さんがあげている、「消費者としてできること」をご紹介します。
•必要なものか、欲しいものかを考える
•パッケージをよく見てお買物
•プレゼントにエシカルな商品を選択
•お店やスーパーに質問やリクエスト
•企業へのポジティブなノイズを伝える
•口コミやSNSで積極的に発信して伝える
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