土俵の上での救命処置は素晴らしいが、女性市長の挨拶は時期尚早

こんにちは、つむぎの庭、糸野つむぎです。

舞鶴市長を土俵の上で救命処置した女性たち

舞鶴市で開かれた大相撲の巡業で、挨拶中に土俵で倒れた同市の市長に心臓マッサージをしていた女性たちに、行司がマイク放送で「土俵から降りてください」と求めた対応が批判をあびています。

まず、緊急事態を冷静に受け止めて勇気を持って人命救助した女性たちは実に立派だと思います。そして、その人命救助のスキルも一流であったとか。日本救急医学会ICLS(Immediate Cardiac Life Support)ディレクターの大房幸浩医師は次のように述べています。

「関係者が取り囲みながらも何もできずにいたところ、(中心となって蘇生に当たった)女性Aが土俵に上がり、すぐに状況を把握し救命処置をおこなっています。たぶん、市長の意識はなく、呼吸は確認できなかったか、あっても死線期呼吸(あえぎ呼吸)だったのではないでしょうか。」

「胸骨圧迫のスキル、周りへの指示(女性B・女性C・女性Dの4名で救命処置)の的確さから、相当トレーニングを積んだ方であると思われます。胸骨圧迫の早さは強さは完璧で、救急蘇生のスペシャリストと考えられます。」

「特記すべきは隣の人に時間確認の指示を出している様子がうかがえること。確認したのは、心肺蘇生の開始された時間だと思います。救命のポイントは心肺停止から蘇生開始までの時間にかかっています。時間確認ができるのは相当冷静に対応していたと考えられます。」

Huffingtonpost 2018/4/6

まりー(娘)

超カッコイイ!

 

つむぎ

女性とか、男性とか関係なしに立派だよね~
命を救いたいと思う気持ちが土俵を超えたんだね。

 

彼女たちはたまたま居合わせたプロの医療関係者だったのかもしれませんが、それでも、大勢の人の中でとても冷静に救命処置を行ったのはすごいことです。「当たり前のことをやっただけ」と、感謝状は固辞されたとのことです。

 

ここで、彼女たちの心の内に分け入ってみましょう。(どこかで聞いたセリフ?)

彼女たちは、土俵に上がることに躊躇(ちゅうちょ)したでしょうか?
結果的にはしなかったと思います。
一瞬だけ、女人禁制ということを思い出した程度で、身体は初めから救命に向かっていたと思います。
恐らく、職業が医療従事者であり、人の命の重みを十分に感じている人達でしょうから、緊急事態を目にしてすぐに走っていたのではないでしょうか?

 

相撲協会は人命より女人禁制を重視したのかもしれません。後で土俵に塩をたくさんまいたということも耳にしました。

 

まりー(娘)

それにしても、相撲協会、最近ごたごたばっかり。

 

つむぎ

たしかに。何か封鎖的な風土があるのかな?

 

宝塚市長の土俵の上でのあいさつお断りの事件

舞鶴市の市長救命事件に続き、宝塚市の女性市長が、大相撲地方巡業「宝塚場所」での挨拶を土俵上でしたいと意向を伝え、断れていたことがわかりました。企業などでつくる実行委員会が日本相撲協会と相談した結果です。昨年は土俵の下であいさつをしたが、これまでの男性市長は土俵に上がってのあいさつだったらしいのです。

男性なら上がれるのに、女性は上がれないというのは「平等の観点からおかしいのではないか」、と市長は話しているそうです。土俵に女性が上がることは、相談しなければいけないほど大変なことなんですね。世間を騒がせるほど面倒くさいのであれば、認めた方が簡単なのに、と言いたくなります。

 

土俵上でのあいさつを断られたことをどう評価しますか?

うちのビルでは男子トイレを掃除しているのは女性です。このことに許可は必要だったのでしょうか?でも、女子トイレを男性が掃除するとなると女性の立場からすると少し違和感があります。清掃の制服を着用していても、化粧室に入られることすら違和感があります。

 

相撲は本来は男子のスポーツです。というのは、うちの娘は小学生の頃、わんぱく相撲大会に出ることを楽しみにしていたから、敢えて書きました。柔道・剣道・空手などは女子が公式にも活躍していますが、相撲は公式には男子のみ。その理由は知りませんが、何か独特の風土・文化・歴史があるのでしょう。

 

そんなことを推し量ると、相撲協会の人にとっては、土俵に女性が上がることは、私達にとっての女子トイレに男子が入って来られることに匹敵するのでしょうか?本当は、両者とも大した弊害はないことです。でも、相撲協会は伝統にこだわりたいのですね。だから、私は、市長の平等の主張も理解できるし、相撲協会が世間に叩かれながらも踏ん張っている姿勢も理解できます。相撲協会は最近色々あって、難しい組織のようですから、一つの決まりごとを動かすのは、それはそれは大変のことでしょう。

 

だから、現状では、市長はあいさつを断れたけれども、今後は、相撲協会の立場をより深く理解した上でのアプローチを考えるといいでしょう。相撲協会は早急に、自らの組織の在り方があるべき姿になるようにして、今回の事件を慎重に見つめなおすべきでしょう。つまり、お互いの主張を認め合いながらの歩み寄る努力は必要がです。

 

ただ一つだけ、声を大きくして言いたいのは、

土俵の上での救命処置をした女性達は正しいことをした、ということです。

これだけは、土俵という場所であっても、男性だとか、女性とか、は関係なく、正しいことを適切に行った素晴らしい行動です。

 

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