女性専用車両③~痴漢行為削減に対し社会に期待すること

こんにちは、ぐうたらスーパー主婦の糸野つむぎです。

女性専用車両導入の目的は痴漢防止、しかし、逆差別とか不便を感じるという声があります。痴漢防止のために女性ができること、男性ができることを、前回の女性専用車両②で考えてきました。今回は社会的なしくみづくりについて考えます。

 

痴漢防止のために女性専用車両と防犯カメラに期待

痴漢防止に効果的なことは?

昨日のアンケート調査の回答結果より、

Q. 痴漢を防止するために効果的だと思うことは?(回答者男女計:3,256人、複数回答)

回答 実数
女性専用車両 1,719
電車内の防犯カメラ 1,476
警察の取締り強化 1,255
駅や電車内での警察官やガードマンの警戒 1,253
時差出勤 1,031
車内での抑止を促すアナウンス 985

 

なるほど、と思う結果です。「女性専用車両」が1位に来ることは予想できましたが、「防犯カメラ」も言われてみれば、と納得です。

 

防犯カメラを車内に設置することへの意見は?

先の調査によると、電車内の

「防犯カメラは痴漢防止に役立つと考える」人は8割以上(男女合計)

しかしながら、電車内の

「防犯カメラはプライバシー侵害となると考える」人とそうでない人の割合は半々

役立つけれども、自分がカメラに映るのは抵抗がある、ということでしょうか。

 

車内の防犯カメラの設置状況

ところで、鉄道会社での防犯カメラ設置状況はどうなのでしょう?

電車の防犯カメラ設置は“東高西低” 大阪府警、在阪各社に要望も反応鈍く

電車内の防犯カメラ導入をめぐり“東高西低”の状況が目立つ。東京五輪が迫る首都圏では、テロ対策などもあって東急電鉄や東京メトロなどが全車両への導入を進める一方、関西では一部私鉄の特急を除き、ほとんど手がつけられていない。

大阪府警は防犯効果が高いとして在阪鉄道各社にカメラを導入するよう要望し続けているが、各社の反応は鈍いままだ。

大阪メトロでは近年、ホームドアの設置が進められています。事故防止にとても有効だと思っています。しかし、電車内の防犯カメラ設置にはまだ消極的なんですね。

 

一方、JR東日本は防犯カメラに積極的な姿勢を見せています。

JR東、新規導入車両に防犯カメラ全面導入

JR東日本は3日、2018年度以降に投入する全ての電車に防犯カメラを設けると発表した。費用は1編成(10両)につき約5千万円。防犯カメラを設置することで電車内での迷惑行為を抑止できるとみて、全車両への導入を決めた。

通勤車両の場合、基本的に1つの車両に4台のカメラを設ける。特急の場合、客室の前後に2カ所設置。カメラはドアの上部に設け、カメラが作動中であることを表示するステッカーを張る。

JR東日本では埼京線と新幹線の車内に防犯カメラを設置済み。同社は新幹線も含め、約1万2千両分の車両を保有している。更新期を迎えた車両を順次、防犯カメラ付き車両に置き換える。山手線では5月から防犯カメラを搭載した車両を投入する。20年までに全50編成が防犯カメラ付きの車両になる。

関東のほうが混雑具合がひどいので、対策が早いのでしょうか。鉄道会社も費用のかかることですので、計画的に考えないといけませんね。

 

防犯カメラの課題

ただ、防犯カメラは何を目的に設置するかによって、設置位置、カメラのレンズ、解像度、記録方法を変えないといけません。例えば、大阪の阪堺電車(路面電車)では、全車両防犯カメラは設置済みですが、運転席近くに1台あるだけ。それは、設置目的が、適切に支払がされているかどうかを録画するためだからなのです。

 

ですから、ただ、「設置済み」と言いたいだけで終わるのではなく、鉄道会社でかかえている課題に対応した防犯カメラの設置になっているかが大切です。

 

しかし、防犯カメラ設置費用は1編成(10両)につき約5千万円というのですから、大変な金額です。せっかく設置するのだから、痴漢だけでなく、他の迷惑行為、スリ、テロ対策、急病人保護など、車内状況把握になるといいと思います。そして、「防犯カメラを設置しています」というアピールもきっちりしてほしいです。さすがに、撮影されていることを知ったら、悪いことをする気がなくなると思います。

 

我々にできること

痴漢抑制に協力する人にもメリットを

男性が、痴漢行為を目撃しても何も行動できなかった理由の一つに、「急いでいたので時間をとられるのが嫌だった」という回答がありました。

 

通勤電車の中でのことなら、当然、就業時間に間に合うように出勤しなければならないので、みなさん、朝は急いでいます。そんな場合に助けてあげるのはいいけれど、自分が遅刻するのはちょっと、と考える人は大多数でしょう。

 

そんな場合、鉄道会社から遅延証明のような、「迷惑行為抑止協力感謝状」のような書類を発行してもらい、遅刻にしないシステムを勤務先が導入してくれたらどうでしょう?そして、それがその人の勤務評価につながるような社内システムを構築していけば、さらに効果はあがるでしょう。

 

しかし、黙っていてもあなたの勤務先は余計な仕事をしてくれません。手を挙げにくければ、何かの機会をみてでも提案してみてください。勤務先以外の場所でも、声をあげることでつないでもらえるかもしれません。

だれにでもできる方法

社会的には、色々な施策が考えられますね。でも、今すぐに痴漢行為抑止のためにできることは、前回も書きましたが、気がついたら、

「大丈夫ですか?」

と、声を掛けることです。大きな声でいうと、周囲の協力も得やすくなります。みんなが見守る社会であれば、悪いことはやりにくくなると思います。はじめは、一人でも、声を出すことによって、少しずつ「みんな」になっていくのではないでしょうか?

 

女性専用車両は必要か?

当初の質問に戻ります。

女性専用車両は、車内の防犯カメラが適切に運用されるまで、必要と考えます。一人の善意が「みんな」の善意となって、痴漢などの迷惑行為がない社会が一番ですが、どうしても発生する犯罪とするならば、痴漢を抑止することに力を注ぐべきです。そのためには、形に見えるものが即効性があります。ですから、特に防犯カメラの設置に消極的な関西ほど、女性専用車両の適切な運営が必要です。逆差別と言われたくなれば、隣接して男性専用車両を設置するのも手でしょう。そうすれば、女性専用車両の前後の車両の混雑が緩和されます。

 

女性専用車両の設置目的を皆が理解することが大切です。その問題の被害の大きさ、撲滅には何かの目に見える施策が必要なこと、これが理解できると納得してもらえる人は増えます。初回の記事にも書きましたが、被害に遭っているのは高校生が多いです。あなたの知り合い、家族の人が被害に遭わないためにも何かの策が必要なのです。

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